【分解修理】PanasonicのCDラジカセRX-ED57のメンテナンス。CDトレイが出てこない、カセットデッキの修理

どーも!省吾です!(^^)!

PanasonicのCDラジカセ【RX-ED57】のメンテナンスをします。

PanasonicのCDラジカセ RX-ED57

RX-ED57はRX-ED50のマイナーチェンジモデルでEDシリーズの最終モデルになると思います。2004年発売で当時の店頭価格は18,000円前後。

こちらはこの機種にしては一番新しい2010年製でRX-ED57の後期になると思いますが、RX-ED50が1999年発売なのでロングセラー製品ですね。

※以降はED50/ED57とします。

仕様・症状

仕様
  • ダブルカセット
  • ハイポジ/メタル対応(メタルは再生のみ)
  • 22W(11W+11W)出力
  • 1ビットMASH D/Aコンバーター(CDプレーヤー)
  • サウンドバーチャライザー
  • CD-R/CD-RW再生対応(音楽CDのみ)
症状
  • カセット不安定
  • CDトレイが出てこない

カセットの動作不安定は経年劣化です。

この機種で問題なのがCDトレイが出てこない現象です。パナソニック製のCDラジカセの多くはCDトレイにゴムベルトを使用しておらず、光ピックアップを移動させるモーターでCDトレイの開閉もおこなっています。なので、まずギアの破損を疑いました。

外観

Panasonic RX-ED57 正面

デザイン自体はED50と変わりません。本体カラーがED50ではブルー系、ED57はグレー系に変更され、表記の大きな変更点はディスプレイ上部の『SOUND VIRTUALIZER』の文字が『CD-R/RW PLAYBACK』に変わったくらいでしょうか。また、ライン出力、CD光出力が省略され、その他、CDトレイのPanasonicロゴの隣に『RX-ED57』の型番表記が追加されるなど細かな変更はあります。

Panasonic RX-ED57 上部

本体の操作スイッチは本体上部に集約されています。

『AUX』スイッチの『MD』表記が省略されました。

Panasonic RX-ED57 背面

背面の入出力系統はヘッドフォン出力とAUX端子とシンプルになりました。MDの衰退とコストダウンによるものかと思います。

ちなみに海外向けのED50もライン出力と光出力はないようです。

Panasonic RX-ED57 カセットデッキ内部

カセットデッキ部はやはり錆が出ています。パナソニック製あるあるです。さすがにこの状態でテープを再生したくありませんね。しかしパナはなぜここまでよく錆びるのでしょうか?(;^ω^)

分解

底面のネジをはずせば本体上下に分かれます。

Panasonic RX-ED57 分解

内部構造もED50と同じです。

少しだけ部品のメーカーなどの変更点はあるようです。

Panasonic RX-ED57 分解 スピーカー

スピーカーは8cm 5.4Ω 11W

ここで気が付いたのですが、ED50は同口径の6Ω10Wでした。

カタログ上の出力がED50の20W(10W+10W)からED57では22W(11W+11W)に各1Wずつ上がっていましたが、それはスピーカーのインピーダンスが6Ωから5.4Ωに変更されたことによるものでは?ということです。

カセットデッキ部

Panasonic RX-ED57 分解 カセットデッキ

キャプスタンの錆はオヤクソク。

ヤスリで磨くとキャプスタンの形が変わってしまう恐れが大なのでいろいろ考えた挙句、KUREのサビ取りクリーナーを少量塗ってしばらく浸透させ、綿棒で念入りに磨きました。これの繰り返し。この作業が一番苦行です。

Panasonic RX-ED57 分解 カセットデッキ キャプスタンホイール

1モーターで2つのデッキを動かします。

この製品でよくあるのはこのキャプスタンホイールのひび割れです。

Panasonic CDラジカセ カセットデッキ キャプスタンホイールの軸

拡大するとこんな感じ。

軽いプラスチックで耐久性がありません。ベルトからの圧が加わるのでしっかりしてほしいところです。

割れて回転が乱れるとテープの走行の安定性に影響したり、ベルトが外れやすくなってしまいます。

Panasonic RX-ED57 カセットデッキ修理

割れた部分を瞬間接着剤で接着して盛大にエポキシを盛りました。うへへ(笑)タブン コレデダイジョウブ。

ホイールの重量も増したので0.000001%くらいはワウフラッターの改善につながったと思いたいです。

ベルトはまだまだ大丈夫そうなのでそのまま。ピンチローラーは4つとも同型新品に交換しました。

CDデッキ部

Panasonic RX-ED57 CDデッキ

メインの基盤を外したらCD部に出会えます。

Panasonic RX-ED57 CDメカ

光ピックアップの形状はED50と同じなので流用できますが、似て非なるもの。ED50のピックアップではCD-RWの再生はできませんでした。

ちなみにこちらのピックアップを基盤ごとED50に移植してもCD-RWは再生できません。ピックアップとED57のプログラムでCD-RWが再生できるようです。たぶん。

そしてトレイのギアには異常は無いようでギアを手で回せばトレイが動かせました。

Panasonic RX-ED57 スピンドルモーター

犯人はたぶんコイツです!(-_-)/~~~ピシー!

スピンドルモーターの軸が曲がっていました。

画像ではわからないのでこのブログではとても珍しく動画を載せておきます。

完全に曲がってしまっています。

モーターの軸は簡単に曲がるものではないのでかなり強い力を加えたか、初期不良でもCD使わなかったからほったらかしていたか、のどっちかですね。

ピックアップは大丈夫だったのでメカだけ手持ちのものと交換してとりあえず復活です。

Panasonic RX-ED57 画像

まとめ

基盤の後ろ部分ですが、ED50ではライン出力とCD光出力が付いていた部分です。

Panasonic RX-ED57 内部の基板

光出力は基盤上の部品の配置に違いが無いように思えたので、もしかするともしかすると端子を付ければ光デジタル対応できるのかな…?

ライン出力は部品が付いていませんでした。

年式の違いか、スピーカーの違いか、ED50より靄が少し晴れたようなクリアさがあるような気がします。

特に濁りがちなボーカルがED50も当時販売していたパナソニックのMDラジカセよりクリアな音でしたが、さらに一皮むけたような気がします。

ちなみにリモコンはED50用のEUR644863でも操作できます。

でわでわ(^^)/